歯周病、虫歯の予防に皆さん、歯磨きを日々頑張っていらっしゃることと思います。
ところでこの歯磨き、完璧にできている自信がありますか?残念ながらどんなに気をつけて磨いていても隅々まで完璧に磨くことはほぼ不可能です。そしていずれはその蓄積したばい菌が悪さをして、歯周病や虫歯を引き起こす温床となってしまいます。
そこで歯周病や虫歯を予防するのにぜひ活用したいのがPMTCです。
PMTCってどういう意味?
PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaning の頭四文字を取ったもので、日本語では専門的機械的歯面清掃と呼びます。
つまり専門家(歯科医師、歯科衛生士)による機械を用いた歯の清掃ということで、専用の機械やブラシ、フロス、フッ素のペーストを使って歯磨きで落としきれない歯石や歯垢を中心に、すべての歯の面の清掃を行います。
これによって本当に虫歯や歯周病になりにくい環境を整えることができます。
PMTCでどういう効果があるの?
PMTCを行うことにより次のような効果が期待できます。
・虫歯予防
・歯周病予防、または進行を止める
・初期虫歯の再石灰化により虫歯になるのを防ぐ
・着色が取れることにより歯のトーンが明るくなる
・口臭予防
・歯がツルツルになることにより、歯垢が付きにくくなる
PMTCをやったほうがいいのは特にどんな人?
次のような人は特にPMTCをおすすめします。
①すでに虫歯になったことがある人
虫歯のリスクの高い人、また治療済みで詰め物やかぶせものが入っている場合、歯と境目に歯垢がたまりやすい構造になっており、完全に取り除くのが難しいという理由からです。
②歯周病の人
歯周病による歯周ポケットがある場合、ポケットの中には歯ブラシが入っていかないため自分では汚れを取り除くことができませんので、特殊な器具を使ってのクリーニングが不可欠です。
③歯並びの悪い人
歯並びが重なっていたりするとその部分は磨き残しが多くでてしまい、虫歯や歯周病のトラブルを起こすリスクが非常に高いためです。
④矯正器具の入っている人
矯正器具が入っていると自分での歯の清掃が非常に難しいため、こまめに行ったほうが良いでしょう。
⑤歯の着色が気になる人
PMTCによって歯の着色(ステイン)も落ちますので、コーヒー、赤ワインなどをよく飲む人、またタバコのヤニが付いている人にもおすすめです。タバコのヤニはかなり取りにくい場合があり、その場合はエアフローと呼ばれる超微細なパウダーを高圧の水のスプレーを吹き付けて落とす、という方法を併用することもあります。
※以上の条件に当てはまらない人でも歯には磨き残しが出やすい場所があります。
・歯と歯の間
・歯と歯ぐきの境目
・一番奥の歯の後ろの面
出典; 厚生労働省
どんなに頑張っても磨き残しは出ますので、健康な歯・歯ぐきを保つためにもPMTCは是非やっておいたほうが良いでしょう。
具体的にどんなことをするの?
一般的なPMTCは次のような手順で行われます。
1.歯石除去
歯石が付いている場合、まずこれを機械や器具で取り除いていきます。歯石が付いていると歯ぐきに炎症を起こしていることが多いので、まずはすべての歯石を取り除いた後、歯ぐきの炎症が落ち着くのを待ってから次の歯面清掃に取りかかります。
2.歯面清掃
①歯垢の染め出し
歯垢を染め出す色素で歯垢の位置を確認します。
②クリーニング
専用のペースト、機械や器具を使って一本ずつ丁寧に隅々まで磨いていきます。ペーストは知覚過敏や根の表面から虫歯ができるのを防ぐ目的で、ほとんどの場合にフッ素が配合されています。歯を磨く器具は柔らかいブラシやゴムなどでできており、部位に合わせて上下運動したり回転したりします。
出典; 厚生労働省
③洗浄
歯と歯周ポケットの中を水や薬液でよく洗浄します。
④フッ素塗布
きれいになった歯の表面にフッ素を塗り、歯の強化をはかります。
おわりに
PMTCは歯科先進国スウェーデンでは子供から大人まで国民の大半が定期的に行っているもので、これにより虫歯や歯周病にかかっている人が日本よりかなり少ないと言われています。
よくエステにも例えられるPMTCですが、その本質は歯周病、虫歯予防です。歯の質、唾液の質、細菌の数、生活習慣などにもよりますが、3〜4か月に一度くらいの頻度で行うのが理想的でしょう。
2015年1月30日 カテゴリ:未分類