毎日歯磨きをしているのに虫歯になってしまったという経験はありませんか?
歯みがきは虫歯予防に有効な手段ですが、虫歯は他にいくつもの原因が重なり合って発生します。
そこで見直してほしいのが、「唾液」です。
ピンとこない方もおおいかもしれませんが、今回はこの唾液のはたらきと、歯の健康に及ぼす影響についてご紹介します。
虫歯を防ぐ!唾液がもつ4つのはたらき
唾液は消化酵素のひとつでもありますが、同時に、「お口の中の清潔を保つはたらき」があります。
唾液が、虫歯から歯を守ってくれるはたらきについて見てみましょう。
PH 緩衝作用
歯の表面のエナメル質はカルシウムやリンでできています。食事などによりお口の中が酸性(PH)に傾き、その状態が続くとこれらの成分が溶け出し、虫歯が進行していきます。
唾液には、酸性に傾いたお口の中を中和してくれるはたらきがあります。
再石灰化作用
歯のエナメル質のうち、カルシムやリンが溶け出した状態を「脱灰」といいます。脱灰は虫歯の初期段階ですが、「再石灰化」により修復が見込める状態でもあります。
唾液は、再石灰化の際に必要となるカルシウムイオン・リン酸イオンを補給し、再石灰化を促してくれます。
自浄作用
虫歯菌は、歯の隙間などにたまった「食べかす」に集まって「プラーク」を形成し、そこで増殖していきます。唾液には、食べかすやプラークを洗い流すはたらきもあります。
抗菌作用
唾液には、リゾチームやペルオキシターゼという物質が含まれています。これらの物質は、虫歯菌に対して抗菌作用を発揮しています。
こんな人は唾液が少ないかも!
唾液の分泌量が少なくなったり、口の中が乾きやすくなったりする原因には、次のようなものがあります。
- 口呼吸をしてしまう
- ストレスを感じている
- 糖尿病、腎不全などの病気をもっている
- お口の中が乾きやすくなる副作用がある薬を服用している
- シェーグレン症候群に罹患している
お口の中が乾きやすくなる副作用のあるお薬には、過活動膀胱などの治療で出されるお薬や抗うつ剤、降圧剤などがあげられます。また、お薬の副作用ではないのですが、がん治療中の方もお口が乾きやすくなることがあります。
口呼吸やストレスなどが原因でお口が乾いている場合には、原因を取り除けるよう適切な対処をとりましょう。
原因を取り除くのが難しい場合には、歯科で定期的なチェックを行い、プロから口腔衛生指導を受けるようにしてください。
2019年1月15日 カテゴリ:未分類