2024.01.20
虫歯
「虫歯は痛くなってしまうと手遅れなのではないか…」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
たしかに自覚症状が表れるとき、ある程度虫歯が進行しているのは事実です。
しかし、適切に対処できれば治療時の痛みもなく、一日で治療を済ませられます。
また、虫歯の痛みの程度は、どれくらい進行しているかを把握する目安にもなります。
この記事では、虫歯で歯が痛む原因、虫歯の進行度と痛みのレベル、虫歯が痛むときの対処法について紹介します。
Contents
歯は階層構造になっており、外側からエナメル質・セメント質・象牙質となっています。
虫歯で歯が痛む場合、虫歯が進行して象牙質が露出したことによって痛みが生じます。
また、そのまま放置しておくと、さらに内側にある歯髄までダメージを受けてしまいます。
虫歯が歯髄まで及ぶと痛みもぐっと強くなり、ズキズキとした痛みを感じるようになります。
歯が痛いからといって、かならずしも虫歯が原因とは限りません。
虫歯以外に考えられる原因としては、以下のようなものがあります。
また、歯や歯茎に原因がないにもかかわらず、歯の痛みを感じるケースもあります。
専門用語では「非歯原性歯痛」と呼ばれており、歯科を受診する方の約1割は非歯原性歯痛であるともいわれています。
非歯原性歯痛の場合、歯痛を引き起こしている原因はさまざまで、顎の筋肉痛や炎症、心臓疾患や神経疾患などが考えられます。
虫歯になったとしてもすぐに歯の痛みが生じるわけではなく、ある程度進行すると自覚症状が表れるようになります。
つまり、痛みの程度から虫歯の進行度を把握することも可能です。
虫歯の進行度はC0〜C4の数値で表され、数字が大きくなるにつれて悪化した状態を示します。
以下では、虫歯の進行度と痛みの強さについて解説します。
C0は、エナメル質の表面が脱灰している状態です。
脱灰とは、虫歯の菌が歯を溶かすことです。
脱灰している部分は、歯の表面が白っぽくなり、透明感がなくなるのが特徴です。
自覚できるような痛みはなく、見た目の変化もわずかであることから、自分で発見するのは難しいでしょう。
C0の時点ではかならずしも治療の必要はなく、適切に歯磨きをしていれば虫歯の進行を止められます。
C1は、エナメル質の内部まで菌が到達して歯を溶かしている状態です。
小さく茶色や黒色に変色するため、目視でも発見しやすくなります。
C1の状態になり歯に穴が開くと虫歯として定義されます。
C0と同様、自覚できるような痛みは発生しませんが、穴が開いてしまった部分は治療が必要です。
一般的には虫歯の部分を削ってレジンを充填する治療が行われます。
C2は、虫歯が象牙質まで達した状態です。
象牙質はエナメル質よりもやわらかく溶けやすいため、C2以降は虫歯が進行しやすくなります。
冷たいものを口に含むと痛みを感じるほか、虫歯の深さによっては熱いものに痛みを感じることもあります。
外側から見えるのは小さな黒い点だけであっても、内部では虫歯が広がっているケースもあり、早急な治療が必要です。
C3は、虫歯が歯の神経まで達した状態です。
C3まで進行すると、外側から見てもわかるくらい黒くなっています。
歯髄まで到達して炎症を起こしているため、なにもしていなくてもズキズキと痛みます。
日常生活にも支障をきたすほどの痛みが生じるケースも少なくありません。
かぶせものによる治療になるため、保険診療であれば銀歯、自由診療であればセラミックを用いて治療します。
C4は、菌が歯を支える骨を溶かしてしまい、根だけになっている状態です。
このまま放置しておくと、骨を溶かしつくして根が抜けてしまいます。
C4まで悪化すると、腫れをともなって激しく痛みますが、虫歯が神経の奥まで広がってしまうと神経が機能しなくなり突然痛みが消えます。
なお、痛みが消えても虫歯は進行し続けるため、すぐに歯科を受診してください。
歯を残す治療が難しい場合には、抜歯しなければいけません。
抜歯後はインプラント・入れ歯・ブリッジなどの方法がとられます。
「虫歯が痛むけれどすぐに病院に行けない」という方もいるのではないでしょうか。
ひとまず一時的にでも痛みをやわらげたいと考えることでしょう。
以下では、虫歯の痛みへの応急処置の方法について紹介します。
虫歯により歯の痛みが生じるとき、患部では炎症が起きています。
そのため、患部を軽く冷やすと痛みをやわらげられます。
ただし、あまり冷やしすぎると逆効果にもなりかねません。
濡れタオルなどをやさしくあてる程度がよいでしょう。
歯垢がたまっていると、菌の活動が活発化して痛みが強くなりやすくなります。
そのため、食後はできるだけ早めに丁寧に歯磨きをしておくことがおすすめです。
なお、歯ブラシがとどきにくい場所はデンタルフロスなどを活用してみてください。
手の人差し指と親指の骨が合流するところは「合谷(ごうこく)」と呼ばれており、熱を排出する作用があることから炎症をやわらげるといわれています。
合谷はやや人差し指寄りにあり、押すとわずかに痛みを感じる部分です。すこし強めに2〜3分ほど押してみてください。
痛み止めの薬は、歯の痛みにも効果があります。
医師から処方されているものがなければ、ロキソニンやイブなどの市販薬でも問題ありません。
ただし、用法用量を守ることはもちろん、服用の間隔なども定められているため、しっかりと注意事項を読んでおきましょう。
腹痛の際に用いられる正露丸には、歯痛を抑える成分が含まれています。
そのため、応急処置として正露丸を詰める方法は有効です。患部に直接作用することから、鎮痛薬を服用するよりも即効性は高いといえるでしょう。
ただし、あくまでも痛みを抑えるだけであり、虫歯を治療する効果はないため、できるだけ早めに歯科に受診してください。
虫歯が神経に近い部分まで進行していると、治療で削る際に痛みが生じやすくなります。
もっとも外側に位置するエナメル層には神経が通っていないため、C0やC1の虫歯を治療する際にエナメル層を削るだけであれば基本的に痛みはありません。
一方、C2以降まで進行している場合には、神経に近づくほど痛みが強くなります。
しかし、治療時に麻酔を使用することによって、ほとんど痛みを感じない状態で治療することが可能です。
グレイス歯科では、虫歯の進行度にあわせて麻酔を使用した治療をご提案していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
虫歯治療を受ける際、すこしでも痛みをやわらげたいと考える方は多いはずです。
治療時の痛みが苦手でなかなか受診する勇気が出ない方もいるのではないでしょうか。
以下では、虫歯治療の痛みをやわらげる方法について紹介します。
C0の時点で早期発見できれば再石灰化によって治せるほか、C1まで進行していても治療時の痛みはありません。
治療時の痛みをなくすには、とにかく早い段階で虫歯を発見して治療することが重要です。
ただし、C0やC1の時点では自覚症状がなく、見た目もほとんど変わらないため、なかなか自分で発見するのは難しいといえます。
そのため、定期的に歯科検診を受けるのがおすすめです。
虫歯の治療では、麻酔を使って痛みを感じないようにできます。
また、麻酔を注入するときにも痛みが生じますが、注射針を細くしたり、ゆっくり注入したりすることによって痛みを抑えることが可能です。
グレイス歯科では、患者様に寄り添い、麻酔時の痛みにも細心の注意を払っています。
ミニマルインターベンション治療とは、歯をなるべく削らずに最小限の部分のみを除去する治療方法です。
削る部分が少ないことから、治療時の痛みをやわらげるだけではなく、歯を削られる感覚が苦手な方にもおすすめの治療です。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。