2024.04.10
虫歯
初期虫歯は自覚症状がなく、なかなか発見しづらいものですが、特徴を知っていれば見た目や症状から虫歯に気付けることもあります。
痛みなどの症状がない段階で発見できれば、日頃のケアで歯を再石灰化させて治せるほか、歯医者で歯を削らずに治療することも可能です。
この記事では、初期虫歯の見た目や症状、初期虫歯を見つける方法やコツ、予防するためのポイントについて解説します。
Contents
初期虫歯とは、虫歯によって歯に穴が開く前の状態のことです。
初期虫歯になると、歯の表面にあるエナメル質が溶けて白濁した部分が見られます。
しかし、白濁した部分は見逃しやすく、見た目は健康な歯とほとんど変わりません。
また、初期虫歯がすこし進行すると、歯に小さな黒い穴が見られます。
初期虫歯では痛みが生じないため、自身で虫歯を発見することは難しいでしょう。
学校や歯科医院での歯科検診で「C1」や「C2」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。
虫歯の進行度は、Cと数字を組み合わせて表され、C0~C4まであります。
進行度 | 状態 |
C0 | エナメル質が溶けて歯の表面が白濁している |
C1 | 歯の表面に小さな黒い穴が空いている |
初期虫歯になると、以下のような見た目の変化や症状が現れます。
以下では、初期虫歯に現れる見た目の変化や症状について、詳しく見ていきましょう。
初期虫歯になると、エナメル質が溶けて白濁するようになります。
とくに、歯と歯ぐきの間に白くなる部分がみられることがあります。
初期虫歯では、歯と歯ぐきの間が白くなるだけでなく、歯が茶色くなる症状もみられます。
なお、歯が茶色くなっている場合には、歯と歯ぐきの間が白くなった状態よりも虫歯が進行しています。
奥歯には溝がありますが、歯の溝に黒い点ができるのも初期虫歯の症状です。
溝の部分には食べかすや細菌が溝にたまりやすく、奥歯は虫歯になりやすいです。
歯磨きなどの際に、大きく口を開き、鏡で歯の状態を見てみましょう。
初期虫歯がさらに進行すると、歯の表面に小さな穴が空きます。
穴が空いていると、歯の内部に菌が入り込んでしまうため、早めに歯医者を受診することをおすすめします。
虫歯を治療する際には詰め物を入れますが、詰め物の周りが変色しているのは虫歯の合図です。
以前、治療したはずの部分に変色がみられるときは、歯医者に相談してみてください。
虫歯が進行すると、冷たいものや甘いものがしみるようになります。
冷たいものや甘いものがしみるときは、虫歯が神経に到達していることが考えられるため、早急に歯医者を受診しましょう。
ホームケアの一環としてデンタルフロスを使っている方もいると思いますが、デンタルフロスが同じところで引っかかる方は初期虫歯の可能性があります。
虫歯になると歯の表面がざらついて、フロスが引っかかりやすくなります。
初期虫歯のなかでも、C0の虫歯は見た目の変化が少なく、痛みも感じないため、見つけることは難しいです。
しかし、虫歯になりそうな歯を見つけるにはコツがあります。
以下では、虫歯になりそうな歯を見つける方法について解説しますので、ぜひ日頃のケアに取り入れてみてくださいね。
歯の表面の初期虫歯を見つけるためには、歯をよく見ることが大切です。
歯の表面が白や茶色に変色していたり、小さな穴が開いていたりするときは注意が必要です。
また、歯垢がある状態だと、歯の表面の変化が歯垢で隠れてしまうため、しっかりと歯を磨いたあとに歯の状態を確認するようにしましょう。
歯と歯の間の状態は、目で見て確認することは難しいです。
しかし、デンタルフロスを使うことで、歯と歯の間の状態を確認できます。
デンタルフロスを使用した際に、フロスが引っかかって抜きづらかったり、引き抜いたフロスがボロボロになっている場合、初期虫歯の疑いがあります。
普段から歯磨きと一緒にデンタルフロスを使うようにして、変化に気づけるようにしましょう。
初期虫歯の治し方としては、以下のような方法があります。
それぞれの方法について詳しく解説します。
初期虫歯の治療においては、フッ素の塗布がもっとも重要です。
エナメル質が溶けて歯が白濁している場合には、フッ素の再石灰化作用による治療をおこないます。
再石灰化治療とは、歯の表面に酸で溶けにくい結晶をつくって歯の表面を強化し、初期虫歯の進行を抑える方法です。
初期虫歯の原因は歯垢であることが多いため、歯磨きでしっかり歯垢を取り除くことで、初期虫歯の進行を抑えられます。
しかし、正しい方法で歯磨きができていないと、歯磨きをしても歯垢が残ってしまう点には注意が必要です。
もし、正しい歯磨きの仕方が分からない場合には、歯医者で歯磨きの指導を受けてもよいでしょう。
シーラントとは、レジンと呼ばれるプラスチック樹脂でできた素材を、歯の溝に沿って詰める処置のことです。
シーラントは虫歯の予防策としておこなわれることも多く、歯の溝を埋めて歯垢をためづらくします。
ただし、シーラントは大人の虫歯治療ではなく、乳歯や生えたての永久歯におこなう治療のため、子どもでないと受けることができません。
PMTCとは、歯医者でおこなう歯の洗浄のことです。
PMTCでは、歯の表面の歯垢だけでなく、歯磨きでは取り除けない歯石や、虫歯の原因となる菌を取り除けます。
定期検診に通うメリットとして、初期虫歯を見つけられるだけでなく、PMTCのような施術を受けられる点もあげられます。
初期虫歯を予防するためには、以下のポイントを意識しましょう。
以下では、それぞれのポイントについて解説します。
丁寧に歯磨きをして、歯垢をや食べかすを取り除くことは、初期虫歯を予防するうえで大切です。
とくに睡眠中は唾液の分泌量が減ることにより虫歯のリスクが上がるため、寝る前は隅々まで丁寧に歯を磨きましょう。
食べものが長時間口に入っていると、虫歯菌が糖をエサにして酸を出しやすくなります。
とくに甘いものや糖をたくさん含むものは、虫歯菌のエサになりやすく、虫歯のリスクを高めてしまいます。
だらだらとお菓子の間食を続けたり、おやつを食べたあとに歯磨きをせずに昼寝をしたりするのは避けましょう。
虫歯を予防するにはさまざまなケアがありますが、もっとも効果的なのは歯医者での定期検診です。
虫歯の治療が嫌いで歯医者が苦手な方も多いかと思いますが、早期に虫歯を見つけることができれば、歯の洗浄やフッ素の塗布で対応できるため、痛みの生じる治療にはなりません。
3ヶ月に1回ほどのペースで定期検診に行くようにするとよいでしょう。
最後に、初期虫歯に関するよくある質問と回答についてまとめました。
初期虫歯では、基本的に痛みはありません。
虫歯で自覚症状が現れるのは、進行度にしてC2あたりからといわれており、痛みを感じるころにはある程度虫歯が進行しているため、早急に歯医者を受診すべきです。
初期虫歯の進行を止める方法には、以下のようなものがあります。
家庭で利用できるフッ素ケア剤なども販売されていますが、歯医者ではより予防効果の高いフッ素を塗布することが可能です。
歯磨きの指導やクリーニングなども受けられるため、初期虫歯かもしれないと感じたら、まずは歯医者に行ってみることをおすすめします。
虫歯の最初期であるC0の段階であれば、自分で治せる可能性があります。
日々丁寧なケアをすることで、再石灰化による自然治癒が可能です。
虫歯かもしれないと思いつつ、なかなか歯医者に行けていない方も多いのではないでしょうか。
自覚症状が表れる前に早期発見するのがベストではありますが、歯科を受診する方の多くは痛みが表れていることがほとんどです。
そのため、虫歯に痛みがあっても手遅れということはまったくありません。
痛みが出て間もない時期であれば、それほど進行しておらず、すぐに治療を済ませられるケースがほとんどです。
一方、痛みを放置しておくとどんどん進行してしまい、最悪の場合は抜歯することになってしまいます。
虫歯の治療は、とにかく早い段階で歯科を受診することが大切です。
まずはお気軽にお問い合わせください。